占い師としてお金を頂くようになってすぐの頃。
夫の仕事関係の奥さんと、とても気が合って仲良くなって、占って欲しいと言われて。
話が弾んだところでの依頼だったから、わざわざ料金の説明をするのも話の腰を折るような雰囲気だなあと黙って占ったら、とても喜んで感謝だけしてくれた。
そうなると、料金をとどうしても言えなくて、自分が悪かったなと諦めたんよな。
後日、その奥さんから電話があって、あの占いにとても喜んでいるから、ママ友に勧めたら占って欲しいと言っている、繋ぐから宜しくと。
ああ、ありがたいな、無料でしてもこうして口コミしてもらえれば仕事になるなと引き受けた。
すぐに奥さんのママ友から電話があって、とても丁寧な挨拶をされた。
「この度は全然知らない私にまで占ってもらえるとの事で、ありがとうございます。何のお礼もできませんが宜しくお願いします」
一言一句覚えてるわ。
タダの占いやから嬉しかったのだと、そこでようやく理解したわ。
どんな風にご紹介頂いたのか存じませんが、お仕事としてやっているので、占ってからの後払いですけどお金は頂きますと伝えたら、急に横柄な感じで「お金要るなら結構です」と電話を切られた。
もしかすると、奥さんの立場を悪くすることになったかもしれないとも思ったが、タダで占う人として口コミが広がっては困るので、あれでよかったと今では思う。
本当は、奥さんにもしっかり伝えるべきだったのに、ええカッコした自分が悪かった。
当時はラブ・オファーの料金制だったから、余計に伝わりにくかったのかもしれない。
この出来事が駆け出しの頃にあったのが、せめてもの幸いだった。
奥さんとはその後も何度かお会いしたが、家族で遠くに引っ越されて、直接の交流もなくなった。
口コミは、その一件だけで終わった。よかった。
《教訓》無料はね、連鎖するんだよ。